関与成分は、LB81菌である。
試験管内の実験では、LB81乳酸菌の菌体抽出液、またはLB81乳酸菌により調製したヨーグルトホエーを1%添加することにより、ビフィズス菌の増殖が促進された。また、LB81乳酸菌により調製されたヨーグルトを、大腸菌またはクロストリディウム菌の培養液に添加すると、それぞれ、有害物質であるインドール、アンモニア、およびフェノール生成の抑制が観察された。さらに、LB81乳酸菌により調製されたヨーグルトを健康成人に投与した場合、排便回数・排便量の増加、適正な便性状の出現頻度の顕著な上昇、排便時のスッキリ感の明らかな増大、糞便中のビフィズス菌の増加とクロストリディウム菌の減少、腸内腐敗産物であるアンモニア、硫化物、インドール、p-クレゾールの低下と糞便pHの低下、臭気の緩和などが観察された。以上のことからLB81乳酸菌により調製されたヨーグルトの摂取は、腸内細菌のバランスを整えて、おなかの調子を良好に保つことが示された。
明治乳業株式会社 研究報告書 1992年 森 浩晴 他、日本栄養食糧学会誌 46, 139-145 (1993) 大津俊広 他、医学と薬学 35, 1053-1060, 1996 森崎信尋 他、ビフィズス 6, 161-168, 1993 原 宏佳 他、ビフィズス 6, 169-175, 1993 寺田 厚 他、食品と微生物 10, 29-34, 1993
乳酸菌の定性試験方法(同定方法) 本届出品の乳酸菌よりDNA を抽出しLB81乳酸菌( L. bulgaricus 2038株及びS. thermophilus 1131株)特異的遺伝子領域を利用して遺伝子を増幅させる。得られた遺伝子増幅産物を配列解析により菌株を同定する。 乳酸菌数の定量方法 寒天培地プレートを用いて、培養後のコロニー数を数える。
研究1: 健康成人8名(男性、平均年齢49歳)を対象に、「明治ブルガリアヨーグルトLB81」の過剰摂取試験を行った。毎日500g(1日当たりの摂取目安量の5倍)、2週間の摂取により、糞便中のクロストリディウム菌は減少傾向を示し、腸内常在ビフィズス菌の少ない被験者ではこの菌の増加を示したが、他の菌群や血液成分の変動は認められなかった(1)。
(1)寺田 厚 他、食品と微生物 10, 29-34, 1993
研究1: LB81乳酸菌を使用して調製した発酵乳の凍結乾燥粉末を、マウスに、1日1回、5日間連続で経口投与し、急性毒性を検討した。被験物1481mg/kg/日、 2222 mg/kg/日、3333 mg/kg/日、および5000mg/kg/日をそれぞれ5匹のマウスに投与し、投与終了後14日間観察した。その結果、すべての投与量において、死亡した例はなく、すべての投与量において、体重が投与期間中順調に増加し、立毛、行動、呼吸などの一般行動に変化は見られなかった。また、観察期間後、屠殺、剖検したところ、どの群においても肉眼的に肺、心、肝、脾、腎、消化管などの臓器に変化は見られなかった(1)。以上のように、マウスに被験物を5000mg/kg/日(総投与量25g/kg) 投与しても毒性症状よび死亡は認められず、本物質の毒性は極めて低いと思われる。
(1)社団法人北里研究所 報告書 1992年
研究1: 健常女子大生(18~21歳)106名による、「明治ブルガリアヨーグルトLB81」 摂取試験を行った。1日あたり100g(1日当たりの摂取目安量)もしくは250gの2週間摂取により、排便回数および排便の有意な増加、すなわち便通の改善効果と,「バナナ状+半練状」の出現度の上昇、すなわち便性の改善効果、およびスッキリ感の有意な増大が認められた。便通の改善効果は特に便秘傾向者で顕著に認められた(1)。 研究2: 66歳から88歳の9名(男性4名、女性5名、平均年齢80.2歳)による「明治ブルガリアヨーグルトLB81」の摂取試験を行った。1日当たり130gずつ2回(1日当たりの摂取目安量の2.6倍)、2週間の摂取により、黄便中の腐敗産物量が低下し臭気の改善が認められ、ビフィズス菌数が増大した(2)。 研究3: 21歳から50歳の健常成人8名(男性3名、女性5名、平均年齢28歳)による、「明治ブルガリアヨーグルトLB81」の摂取試験を行った。1日当たり130gずつ3回、合計390g(1日当たりの摂取目安量の3.9倍)の2週間摂取により、全ての被験者の便中のビフィズス菌数がヨーグルト摂取により増大した。これに対し、クロストリディウム菌は減少した(3)。
(1)大津俊広 他、医学と薬学 35,1053-1060,1996. (2)森崎信号 他、ビフィズス 6,161-168,1993. (3)原 宏佳 他、ビフィズス 6,169-175,1993. その他の資料: 寺田厚 他、食品と微生物 10,29-34,1993. 大津後広 他、医学と薬学 39,951-959,1998. 山本昌志 他、健康•栄養食品研究 1,47-55,1998.
ヒトでの有効性を直接確認することができるので、動物を使用した有効性試験は行っていない。