新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) 、インフルエンザなどの呼吸器感染症の予防に対するビタミンDの効果を検討した論文を検索しました。
RCT (介入研究) において、新型コロナウイルス感染症に対して効果があるという報告1)がある一方で、その報告を含め4つの研究を統合したメタ分析2)では予防効果は認められなかったとの報告でした。効果があるとする報告は非感染医療従事者を対象としたもので、4,000 IU/日というビタミンDの耐容上限量 (「日本人の食事摂取基準 (2025年版) 」策定検討会報告書、厚生労働省) に相当する摂取量でした。
また、同じウイルス性感染症であるインフルエンザの予防に対する効果を検討した論文を検索したところ、4件の試験 (小児) を対象としたメタ分析において、風邪および・またはインフルエンザに対する予防効果は確認されなかったとする報告3)がありました。
ビタミンDは風邪によいと言われていることから、風邪や上気道感染症の予防に対する効果を解析したメタ分析について調べたところ、急性呼吸器感染症状の発現率低下と関連するとする報告4)がありましたが、同一著者らが後に対象論文を増やして再度分析したところ、関連は認められませんでした5)。他のメタ分析においても、急性呼吸器感染症状の発現率低下との関連が認められなかったとする報告が2件ありました6,7)。
このように、現時点では、新型コロナウイルス感染症、インフルエンザ、呼吸器感染症の予防に対して「ビタミンDが効く」といえる十分な情報は見当たりませんので、情報の拡大解釈にはご注意ください。
感染症に対しては、マスクの着用を含めた咳エチケット、手洗い (手指消毒) 、換気など、正しい予防を心掛けましょう。
参考ページ
参考文献
<国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所>
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