新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) 、インフルエンザなどの呼吸器感染症の予防に対するラクトフェリンの効果を検討した論文を検索しました。
医療従事者を対象とした RCT (介入研究) において、新型コロナウイルスの感染者数に影響は認められていません1) 。
同じウイルス性感染症であるインフルエンザの予防に対する効果を検討した論文を検索したところ、論文は見つかりませんでした。
ラクトフェリンは風邪に良いと言われることから、風邪や上気道感染症の予防に対する効果を解析したメタ分析について調べたところ2報の論文が検索されました。一方のメタ分析2) (4件の乳幼児と2件の成人を対象) では、呼吸器感染症の発症頻度の低下との関連が認められていましたが、6件中3件ではオッズ比 (効果有/無の比) の95%信頼区間の上限が1 (プラセボと同等) を超えていました。他の3件は、いずれも乳幼児における研究でしたが、内1件に高いバイアスリスク (試験の結果が歪められている可能性) が認められていたため、エビデンスの質は低いと考えられました。他方のメタ分析3) (3件の乳幼児における研究を対象) では、上気道感染症の症状発現率との関連は認められていませんでした。
このように現時点では、新型コロナウイルス感染症、インフルエンザ、呼吸器感染症の予防に対して「ラクトフェリンが効く」といえる十分な情報は見当たりませんので、情報の拡大解釈にはご注意ください。
感染症に対しては、マスクの着用を含めた咳エチケット、手洗い (手指消毒) 、換気など、正しい予防を心掛けましょう。
参考ページ
参考文献
<国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所>
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